ぼくはかつてエロビデオショップでバイトをしたことがある。1日だけ。
日雇いとかそういうのではなく、ヤバイと思って1日でやめたのである。
お金欲しさ
エロビデオ屋になる前の僕は塾の先生をしていたのだけど、いかんせんこれがあまり稼げない。
あまり大きな塾ではなかったこともあって、自分のシフト通りに働けないことが多かった。
客が来ようと来まいとそこにいればお金を貰える仕事がしたくなった。
店長は「1日で9割くらいの人が辞めるよ」といっていた
面接では、他のバイトと変わらないような普通のことをきかれた。
AVのインタビューのような、「具体的にプライベートの自慰手順を教えてください」みたいな質問があるのかなと思ったけど全くそんなことはなかった。
ただ、強烈に覚えているのは「9割の人が1日で辞めるよ」、といっていたこと。
これはぼくの「稼げて楽な仕事をしたい」という腹の中を見透かして、圧迫面接気味に仕事なめんじゃねえぞと威嚇をしたのではなく、事実として本当にほとんどが1日でやめるらしい。
さすがにビビったのでみんながすぐ辞める理由を聞くと、店長は「ん〜〜アダルトだからね」と答えた。
なにをいっているんだ、と思った。
エロビデオショップなんだからアダルトの商品があって当たり前である。
9割の人間はそれを知らずに面接に来ているのだろうか。ピュアすぎだろ。まんこ見たことあるのか?
と心の中でツッコミを入れつつ、その日のうちに内定を貰った。
心を整える
出勤は次の日からだった。
多くの人がすぐ辞めるという言葉は少し気がかりで、働く前に少し不安な気持ちにはなったけど、ぼくは「まんこ」って言葉を小学4年生くらいから知っていたし、エッチなトピックには結構強い自負があった。
9割の人間よりも僕はエッチなもの好きなんだと言い聞かせて、自分を落ち着かせた。
他のバイトは全員男
職場につくと先輩のバイトが迎えてくれた。
当然、全員男である。
まあ、女の子がAV売ってたらそれ目当てでひとつのプレイとしてAV買いにくる客もいるだろうからね。
キモオタっぽい見た目の人が多かったけど、それは僕も変わらず。
割とすぐ溶け込めた。
客がおとなしい
まずはレジで仕事を説明してもらった。
先輩エロビデオ店員が客をさばいてるんだけど、客側の手際の良さが半端ない。
エッチなビデオを購入しにきた恥ずかしさからだろうか。
あとこれは先輩エロビデオ店員も言っていたけど、とにかく粗暴な態度をとったりクレームを言ってくるような客がいない。
まあ、いい大人が「素人生ハメ!ママ友ナンパ 2 幼妻愛好会 無垢で優しさあふれるママさんと3Pお遊戯」みたいなタイトルのビデオをレジまで持ってきて「おい!ちゃんとやれよ!殺すぞ!」みたいなことを言うのはとても間抜けだし当然だと思った。
この時点ではいいバイトだとだなと思っていた。
うんちに論破された
異変を感じたのは品出しのとき。
どこにどんな作品があるかを説明された。
最初はマジックミラー号とか大衆向けポピュラーエロビデオの棚を整理していたのだけど、仕事を進めていくうちに闇を感じさせる作品が目につくようになる。
例えば、女子小学生が散髪するだけの作品。
なんとこれ7万円くらいするのである。(もっと高かったかもしれない。)
ひしひしと深くなる闇を感じつつ、本丸であるスカトロコーナーにたどり着く。
エロビデオショップにも書店よろしくポップがある。スカトロコーナーに掲げられたポップは「君の全てを愛せます。うんちもね。」
おおマジか…
あまり気は進まないけど、スカトロの棚を整理していく。
もうなんかジャケットが壮絶である。
食事中の人がいたらごめんなさい。あと、食事中にこんなクソブログは読まない方がいいと思います。
うんちを身体いっぱいに塗装されたうんちメッキ人間みたいなのは「これは偽物、たぶんその辺の泥だ。」と自分に言い聞かせて品出しをすすめた。
ところが、やがて現れたのはどう考えても本物の一本糞をケツからひり出す女性のジャケット。
これを見た瞬間、もう「スカトロのうんち偽物説」は通用しなくなった。ぼくは一本糞に論破された。
そんな苦労を乗り越えた時に店長から言われた言葉は、「新人くんにはしばらくスカトロコーナー任せようかな。」
ぼくはエロビデオショップ店員を辞めた。
うんちが平気な人だけやったほうがいい
アダルトビデオショップというとおっぱいちんこまんこというイメージが強い。
おっぱいちんこまんこを嫌いな人はいないだろう。
ただ、世の中にはおっぱいちんこまんこではなく、うんちおしっこが好きな人もいる。
うんちおしっこが平気な人だけ、エロビデオショップ店員を志してください。